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6月に入ったある日の学校の昼休み。
久しぶりに太陽が顔を出したので私は1人屋上庭園に来ていた。
ベンチに座りながら流れる雲を見つめる。
「新?どこにいるの?」
ドアから菜々子が顔を出す。
「新君なら見てないよ。」
「どうしましょう、あの子まだこの学校の仕組みがわからないのよ。」
心配そうな表情で私の隣に菜々子は腰を下ろす。
しかし執事が主の学校の地図を覚えていないのは問題があるんじゃ。
「ヒロ。」
私が呼ぶと何処からかヒロが現れる。
「何処にいたのよ?」
「失礼いたしました。お嬢様の口の開いた間抜け面を見るのが少々……ね?」
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