わたしのオト

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それからしばらくタカ君の話題でもちきりで(と言ってもソウタのグチだけど)気がつけば、太陽が川を越えて遠く見える街の景色に完全に姿を隠す時間だった。 「そろそろ…帰ろうか」 制服についた草を払いながら立ち上がるソウタの声に頷いて、差し出された手を取る。 ソウタのおっきくて暖かい手のひらに、少し体温が低いわたしの手が重なる。 伝わる熱が わたしの中に 染み込んでいく 体の真ん中まで 伝わった熱は わたしの心臓を とくん…と鳴らす その瞬間がわたしは大好きだった。 ねぇ…ソウタ 気づいてないでしょう? 「遅くなっちゃったな…」 そう言ってばつが悪そうに後ろ頭を掻くクセも 「愚痴に付き合わせてごめん」 他の人にはわからないくらいの小さな笑顔も そんなささやかな仕草を見られるだけで幸せしか感じられなくなるくらい わたし…ソウタが好きなんだよ  
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