精一杯の声で

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次の日の朝になっても、サツキは目を覚まさなかった。 どうしちゃったんだよ… 昨日まであんなに元気だったのに… 頭の中が真っ白で 何も考えられなかった ずっとそばにいたかったけど恵美さんに 『ソウちゃんは学校へいってちょうだい。何かあったらすぐ連絡するわ…』 そう言われてタクシーに押し込まれた。 頭の中が 空っぽで 真っ白で 教室についても 席に着いても 他のことなんて 何にも感じなかった サツキ…大丈夫かな… 目…覚めたのかな… 朝のHRで担任が、 サツキの事をクラスの皆に知らせていた。 反応は皆似たり寄ったりで、驚いたり、特に仲のいい女子なんかは泣きそうになったりしていた。 こんな時になんだけど…サツキってホント、人気あるんだよな… そんなコトをぼんやり考えていると、ボクの席の前に誰か立った。 「ソウタ」 この声はタカだ。  
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