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暖かな春の日差しの中。
自転車で通るいつもの通学路。
ボクの家から高校までは自転車で約10分。
ボクの住んでいる街は決してビルが立ち並ぶ都会ではなくて、だけど田んぼが広がる田舎でもなくて、ど真ん中を川が流れるなんだか中途半端な街。
でもボクはこの街が結構好きだ。
中途半端なボクにお似合いだから。
それというのも中途半端な街に住むボクは、決してスポーツ万能な秀才ではなく、だけど運動音痴な万年赤点でもなく。
何をやっても平均点な高校2年の17才。
コレと言った趣味もなく、見た目も普通。
自分で言ってて笑えるくらい中途半端だな。
でもそんなボクにも、ひとつだけ特別があって。
川沿いの道。
舗装されきってないコンクリートの上を
ボクが漕ぐママチャリはガタガタ文句を言いながら走る。
20分に1本の電車をつなぐ大して大きくもない鉄橋をくぐればほら…
もうすぐ見えてくる。
砂利にしゃがみ込んで川を覗き込む女の子1名。
今日は白いワンピースに淡いピンクのカーディガン。
「サツキ」
名前を呼べば嬉しそうに目を細めたキミがボクをみる。
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