4/7
前へ
/37ページ
次へ
嗚呼。 ……んふふ、今のは効いたっす。 まあ実のところこれ言われるの三回目っすけど。 「安藤キリヤ。テメェは予期せぬ事件で命を落とした。このまま成仏すべき人間ではない。そこでだ。テメェに二択を迫る」 「死を帳消しにして現世に戻るか、このまままっすぐ天国へ行くか……ってことっすよね」 「ん、そうだな」 んま、そういうわけっすわ。 いま俺がいるのは冥界、つまり天国と現世の中間地点。 俺は究極の二択を迫られてるんす。 すんません、死因が死因なんで。 「バナナの皮に滑って脳挫傷、か。愚民ながらかわいそうに」 彼女はフツーの大学ノートを見ながらそう言ってるっす。 マジ冥界のくせに荘厳感皆無っす。 俺の緊張感くらい皆無っす。 「まさかこんなにキメぇヤツだったとはな……まあいいさ。カミサマであるアタシが手助けしてやるよ」 「えぇぇぇぇッ!!?? カミサマだったんすかぁぁああ!!??」 「地獄に行くか?」 「すんません自重します自重します自重します。大事なことなんで三回言いました」 「……いちいちムカつく……」  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加