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嗚呼。
……んふふ、今のは効いたっす。
まあ実のところこれ言われるの三回目っすけど。
「安藤キリヤ。テメェは予期せぬ事件で命を落とした。このまま成仏すべき人間ではない。そこでだ。テメェに二択を迫る」
「死を帳消しにして現世に戻るか、このまままっすぐ天国へ行くか……ってことっすよね」
「ん、そうだな」
んま、そういうわけっすわ。
いま俺がいるのは冥界、つまり天国と現世の中間地点。
俺は究極の二択を迫られてるんす。
すんません、死因が死因なんで。
「バナナの皮に滑って脳挫傷、か。愚民ながらかわいそうに」
彼女はフツーの大学ノートを見ながらそう言ってるっす。
マジ冥界のくせに荘厳感皆無っす。
俺の緊張感くらい皆無っす。
「まさかこんなにキメぇヤツだったとはな……まあいいさ。カミサマであるアタシが手助けしてやるよ」
「えぇぇぇぇッ!!?? カミサマだったんすかぁぁああ!!??」
「地獄に行くか?」
「すんません自重します自重します自重します。大事なことなんで三回言いました」
「……いちいちムカつく……」
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