短編集

ずっと

僕の恋人だった人。
だったと言うのは今、別れを告げられたから。ずっと浮気を繰り返していた彼。僕に飽きたのかそれとも･･･元々、僕に興味がなかったのか、かな。

これだけは言わせて。
僕は貴方の事を本気で愛してました。だから、この病気の事は君には言わないよ。負担になるだけでしょう？

「今日、1時間、10分でもいいんだ。会えないかな？」
「･･････10分ならいいぜ」
「ありがとう。いつもの公園で待ってるから」

･･･約束したのに。君の隣にいる彼は誰？何で来てくれないの？今日は大切な、大切な記念日、そして･･･僕の誕生日なのに。

「お待たせ」
「･･･っあ」
「早くいいなよ」
「ああ。悪いんだけど、別れてくんない？俺、こいつにマジなんだわ」
「･･･そっか、別れよっか。バイバイ」
「良かったね。行こっか」
「ああ。またな」

僕の意見を君が聞いてくれるなんて、思ってなかった。思ってなかった筈なのに、どうして涙が止まらないんだろう。僕はもうすぐ死にます。何億人に一人の病気らしいです。今日で君に会える最後の日、でした。明日からは、入院を余儀なくされてるからです。最期まで僕は、イラナイ物だったんだね。少しでも、君に愛されたかったよ。『また』はもうないんだよ。寂しいけど、君が幸せなら･･･

完

浮気性の攻めは実は、受けが別れを断ると思ってたのに、まさかの･･･って感じです。