20.〝バカミヤ〟

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「あんたね、私たちが謝罪を求めてるとでも思ったわけ?」 「え……だって俺は」 「だっても何もねーよ零。俺らはよ、ただお前を知りたいだけなんだ」 「灰夜……」 「言っただろ。俺は味方だって。俺らを襲ったのは何かしら理由があると踏んでたし、お前を攻める気はねーよ」 前にも言ってくれた心にグッとくるその言葉。 アリスと燐条以外が微笑みを見せると言うことは、他の三人も同じ気持ちらしい。 「……まぁ、言いたくない事なら無理には聞かねーよ。姫崎もいいだろ?」 「…………ふん」 「……悪い」 バカで、変態な灰夜の唯一の良いところ。 持つべきは友、って事か。 どうやら試合前のいざこざもなかったことになってるみたいだし。 灰夜の事だ、結果オーライとでも思ってんだろうな。 「オイ、能無し」 灰夜との会話を終えたのを見計らってか、話しかけてくるのは意外にも燐条。チッ。 「……ンだよ、ニワトリ野郎」 「あァ!?」 「おォコラ!」 再び掴み合いを始める俺達に、灰夜と斬桜が割って入った。 「お前らどんだけ仲悪いんだよ!」 〝どーどー〟 「退けッ! 此処で決着つけてやるよ燐条!!」 思いっきり挑発してやった。 あのトサカ引き抜いてやらねーと気が済まねぇ! 「……………………」 どうせ燐条もそのつもりだろうと思って言った訳だが、意外にも斬桜への抵抗を止める燐条。 僅かに驚いた顔。 「……なに言ってんだ、テメェは」 「は…………?」 大人しくなる燐条に対し、俺も灰夜への抵抗を止める。 ……なんなんだ?
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