雪女の想い

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雪女は、雪女になる前は、山の女神であり、神々の中では、絶世の美女であった。 彼女は、里の普通の男に恋をした。 そして、人間の子を身籠った。 しかし、神が人間を愛することは、許されるはずがない。 山の神は怒り狂い、里を永遠の吹雪に閉じ込め、彼女に天罰を下した。 彼女は、愛する男と、その男との子供を守るため、永遠の吹雪をその一身に受け止め雪女となった。 そして、泣く泣く愛する子供を、人間の男に託し、雪山へと去ったのだ。 人々は、里を救った彼女を語り継いだ。 それから時が過ぎ、何時しか人々の記憶が薄れ、雪女の話だけが、語られるようになったのだと。 しかし、彼女は愛する子供、そして子孫を、いついつまでも見守った。 子供たちの身を案じ、時折流す雪女の涙、それが雪となるのではないか、 私は静寂の夜に降り積もる雪を眺めなから、そう思った。 どんな境遇になろうとも、女は子供のことを想う、そうあって欲しいものだ。 私は、この想いを曲に込めた。
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