忠告の意味

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黙々と足を進める山田に対し 少し遅れて追い掛けるように 足を進める僕。 その足は学校の方へ向かっていた。 学校に着くと 玄関を素通りして、 校舎脇にある花壇の前で ようやく足を止めた。 「…裕翔」 「ごめん、山田  あんな注意してくれたに  全然聞く耳すら持たなくて…」 「俺が一方的に言ったのも悪かった  これから気を付ければいい  それより、怪我してないか?」 「…」 何か、今日の山田 いつもの山田とやっぱり違う。 「山田ってそんなキャラだっけ」 「え?」 「いっつもへらへらして  好きだーとか言ってたのに  今日の山田はいつもと  なんか違う」 「何?いつものほうがいい?笑」 「そういう訳じゃないけど…」 すると山田は 僕の頬を掴んできた。 「今日裕翔が連れ去られたの  俺のせいでもあるし  ぶっちゃけ俺のせいだけど  それに、裕翔が好きだから  すっごい焦った」 頬から手が離れる。 「俺、やっぱ裕翔が好きだ」 .
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