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顔が一瞬で熱くなり、
それは山田の告白のせいなのか
捕まれた頬のせいなのか
わからなかった訳じゃない。
(確実に前者だろうけど)
ただ、山田の真剣な表情に
二度目のときめきを感じたのは
言うまでもなくて、
いつもの軽いキャラはどこいったんだよとか
考える暇すら与えてくれない程
心臓がバクバクしていた。
「や、まだ…」
「じゃ、先教室戻るわ」
「え、ちょ」
「また放課後っ」
さっきとは明らかに
違う空気の流れに戸惑いつつ、
でも心臓の高鳴りはいつまでも
収まることはなくて
呆然と山田の背中を見ていた。
放課後、山田は来なくて
「何だよ」と呟くと
虚しく教室に響いた。
それから、山田は次の日も
僕の前に現れなかった。
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