君の存在

9/9
前へ
/30ページ
次へ
「山田が良くても  僕にとっては全然良くないの」 「先生に言っても通じないぞ」 「それはそうだけど…」 うーん、と考え出す山田。 「…あ、じゃあ1個  裕翔にお願いしようかな」 「なに?」 「停学中、毎日、俺ん家に来い」 と、僕に指差してきた。 いや、いやいや! 山田くん意味わかりません。 「ほらー、このままだと  順調に成績落ちちゃうし  裕翔くん学年上位じゃん」 うわっ 嫌みったらしさが更に憎い…! 「まぁ、こんなのは  口実にすぎないんだけどね」 「なんだよ」 「毎日来てくれたら  毎日裕翔に会えるだろ?  前に言ったこと覚えてないの?」    裕翔が好きだ―… あの時と一緒だ。 また胸がきゅうって締め付けられる感覚がする。 「わかったよ…っ」 「え…?」 「しょうがないから  付き合ってやるよっ  勉強にも、涼介にも!」 .
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

145人が本棚に入れています
本棚に追加