噂と彼女

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僕の隣には必ず君がいる。 そういう噂が 生徒の中で広まっていて あながち間違っては いないんだけど、 こっちとしては迷惑だ。 そう思っていた矢先 転機が訪れた。 「裕翔くん、  誰かが呼んでたよ  A組に来てだって」 「あぁ、ありがとう」 どうせまた山田だろ でもいつもこっちまで来るのに わざわざ呼び出すとか珍しい とか考えながらA組に向かえば山田の姿。 でもこっちの存在に 気付いてないのか 他の生徒と話している。 「山d「裕翔くんっ」…はい?」 山田を呼ぼうとすると 女の子特有の声に名前を呼ばれ 振り向けばツインテールの子。 「来てくれてありがとうっ」 「あ、いや、うん」 この時気付いた。 僕を呼んだのは山田ではなく この女の子だということに。 「あの、私前から  裕翔くんのことが好きでした  私と付き合って下さい!」 え、えええええ! そんな予期せぬ展開に… ふと山田を見れば 明らかに不機嫌そうな表情。 恥ずかしくなって すぐに顔を反らした。 てかなんで山田見てんの! 今は関係ないだろっ ひとつの答えを胸に 女の子と向き合った。 「っと…  ぶっちゃけ付き合ったこととか  今まで全然ないんだけど…」 ──────…… .
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