噂と彼女

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「で、承諾したの?」 「うん。まぁ…」 「何その曖昧な答え」 放課後、 そのことを圭人に話した。 何で話したんだろ。 正直覚えてない。 「山田くん  不機嫌そうだったの?」 「うん。そう見えた  …気がした」 「ふーん。まぁ裕翔のこと  好きだもんねー」 「……」 「裕翔くん!  一緒帰ろうっ」 「あ、うん」 そうだ、彼女を待つついでに 圭人に話したんだっけ。 「じゃ、帰るね。  また明日」 「うん。  あ、裕翔」 「ん?」 「たまには胸に手当てて  自分の気持ち確かめなね?」 「? うん」 正直、圭人の言ってる意味は よくわからなかった。 圭人は、 俺も伊野尾くんの所行こうっ と言うと僕よりも先に 教室を出て行ってしまった。 その後彼女と一緒に帰った。 でも2人でいる筈なのに 心のどこかが寂しくて、 寂しさの原因もわからずに、 いつの間にかお互いの 家路への分かれ道。 この寂しさは 物足りない…に近い そんな気がした。 .
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