噂と彼女

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暫く歩くと 家の前に見覚えのある 人影があった。 「…山田?」 「おぉ」 「何してんの?」 「偶々通りかかった」← 「馬鹿野郎  完璧待ち伏せだろ」← そういえば 今日学校でこんな風に 山田と話さなかったな… 「あのさ、」 「ん?」 「本当にあの女と付き合うの?」 「…そのつもりだけど」 もう返事しちゃったし と付け足すと、山田は 「はぁ」と視線を下に落とした。 「いいか、良く聞け  お前の前にいるアイツは  ただの猫かぶりだ。  何か企んでるに違いない」 「は?」 「中島は別のクラスだから  知らないだろうけど  本性は本当にヤバい」 「何だよそれ  付き合うなってこと?」 「付き合うなとは言わない。  ただ、気を付けておけ…  何かあったら言え。  俺が助けるから」 「何で山田にそんなこと  言われなきゃいけないんだよ」 「あくまで忠告しただけだ  後は中島の好きにすればいい  でも何かあったら  俺を頼れっていう話」 「…っ  余計なお世話だ!」 家に駆け込んで 部屋の戸を強くしめる。 なんだよ山田のやつ… いっつもヘラヘラしてるくせに 急に真剣な顔しやがって… なんであんな顔すんだよ、 あー、もう! .
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