宵闇

2/2
前へ
/20ページ
次へ
煙草に火を付けると 微かに君の匂いがした 抱き締められていた日々 少しずつ甦る あの頃は ただ傍にいるだけで それだけで良かった それなのに いつから君に背中を 向けていたんだろう 当然のように 触れ合っていた手に 温もりが消える瞬間は 意外にアッサリしてた 元気ですか? そんなメールを 送りたいけど どうしても 指が止まってしまう 今の君が幸せなら それを邪魔したくないし 応援したい それとは反対に もう一度君を 振り向かせたい そんな自分勝手な感情が 心を埋めてしまう もう忘れたはずの 君の香り 煙草の煙と一緒に 夜空に吹き上がる 後悔よりも切なさが 溢れてくる ごめん…今も好きだよ…
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加