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「うにゃー」 「咲坂、きみ頭大丈夫?」 「くまうっさい。」 私は、成嶋くんと赤外線でアドレスを交換してから、瑛奈とばいばいして、熊谷司の家にいる。 「うわー、なんか今日冷たくない?」 「えっ?いつもだよ。」 「いや、いつもよりひどい。」 このうるさいのは、前にも瑛奈との話題に出てきた熊谷司。 見た目は、可愛い系? 身長は165センチ。 おチビちゃんのくせに態度はでかい。 「ねぇ、全部声に出てるけど。誰がチビだよ!!きみのがチビだろ。」 「うるさい。女の子は小さい方がいいんだもん。」 「きみは横に大きいよねww」 ムカつく!! 「どうせブタだもん。」 こいつはほんと憎まれ口しか叩かない。 「ところで、なんで今日電話に出なかったの?」 でた。 こいつは私が電話に出なかったり、メール返さなかったりするたびに私を責める。 「めんどくさかったから。」 「はっ?わざわざ俺が電話したのに?」 「瑛奈といたんだもん。」 「俺のが大事でしょ?」 「瑛奈のが大事だもん。くまなんか大事じゃないもん。」 ほんと、こいつは自分勝手だ。 「とか言って家にくるじゃん。」 「暇だからだもん。彼氏いたらこないもん。てか、彼氏でもないのに責められたくない。」 「ごめん。」 強く言い過ぎたかな……? くまが落ち込んじゃった。 「もういいよ。とりあえず寝よう。」 「うん。」 私たちはたまに一緒に寝る。 それは決まって、くまが寂しいときだけ。 私からは、絶対に連絡しない。 連絡がきたときだけ。 そんな曖昧な関係。
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