命散る戦場

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「いいか?この扉を潜れば向こうは戦場だ!生きるか死ぬかの場所だが必ず生きて帰ってこい!」 目の前には転移用の扉。 ここを潜れば戦場だ。 当たり前だ。こんな場所でくたばるつもりは毛頭ない。アイナを一人にさせるわけにはいかないんだ。 「―――いいなグース!……おい!グース聞いてるのかグース!!」 上官に名前を呼ばれた俺は我に帰る。 いかん、いかん。別に緊張してる訳ではないが人の話を聞けない奴ほど死んでしまう。 「申し訳御座いません。……無心でして聞いていませんでした」 「しっかり聞いておれ!もう一回説明するが、相手は敵国の人間と魔物だ。奴らはどういった訳か魔物を操っている。そして、奴らは融合の能力が備わっている。仲間同士で融合して魔法の威力を数倍に引き上げると同時に、身体能力の向上……といった能力がある為、自国はは数では圧倒的だが苦戦している……と言うわけだ。 ―――いいかグース?」 俺は首を縦に振り肯定の意を示す。 そして、上官は言葉を紡ぐ。 「そこでは既に先遣部隊が戦闘を開始している。だが、先程も言った通り奴らはは融合してより強い魔法を使う。その為、苦戦を強いられているため俺達は増援として派遣される!」 一度ここで言葉を切る上官。更に先程より覇気の篭った口調で話し出す。 「お前たちの部隊は魔導士15人、魔導剣士15人で構成されている。もう一度言うが全員生きて帰って来い!!作戦はお前らの頭のなかに魔法で送ってやるから心配するな!……では行け!」 皆、上官に対して敬礼をする。 まあ、俺もだが。 次の瞬間には俺は転移扉を潜っていた。
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