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部屋に1人取り残されてから、俺は左手の紙を見た。
くしゃくしゃの紙には、俺の必死な想いが、下手くそに綴られている。
それを枕元に置いてから、今度は右手の風鈴を見る。
水色の、如何にも涼しそうな絵を描いた風鈴だ。
涼しいっていうか、季節的にはまだ寒いぐらいなんだけど。
「…………」
風鈴を揺らしてみた。
ちりんちりーんと綺麗な音がする。
「…………」
枕元の紙切れをもう一度見た。
「…………」
風鈴を見た。
「…………」
…………ま、いっか。
(終わり)
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