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明転
教室 十二時半
大内「お! 尼子のマグロ丼! まだ余ってたのか。じゃあ折角だから、頂いておこうかな」
宇喜多登場
宇喜「待て待て待て! 大内よ! その丼は俺の物だ!」
大内「あ、宇喜多か。残念ながら『早い者勝ち』がルールだ!」
宇喜「ずるいぞ! それが俺の認めた正義か!?」
大内「ルール破るなよ!」
宇喜「己の意見を正直に主張するのは正義!」
大内「それじゃあ俺も正義じゃん」
宇喜「何でもカンでも早い者が勝ってしまう世の中は決して良くない! 大内、目を覚ませ!」
大内「徒競走もトランプも早い者勝ちだろ」
宇喜「ウサギとカメはカメが勝った! この様な…弱者の下剋上こそ正義!」
大内「でも今は負けてるじゃん」
宇喜「うっ…う~…な、ならばジャンケンで勝負しろ!」
大内「それしか方法がないのか? 大人気ないぞ」
宇喜「おいおい、まさかジャンケンが怖くて怯えちまったのか? 大内よぅ」
大内「なにこのやっっっすい挑発!? ジャンケンに怯えるわけないだろ!」
宇喜「正義の挑発作戦失敗」
大内「挑発は正義なのか!?」
宇喜「今だ必殺! 正義の横取り!」
大内「こいつ馬鹿か!? 横取りはどう考えても正義じゃねぇよ!」
今だ宇喜多! マグロをかすめとってしまえ!
宇喜「マグロ獲ったり~!」
大内「あ! 突っ込みに気をとられて防御をすっぽかした!」
宇喜「フフフ…正義はぁ! 勝つ!」
大内「よ、良し分かったぞ宇喜多! ジャンケンだ! ジャンケンで勝負だ!」
宇喜「勝負を断るのは正義に非ず! その勝負、受けて立つ!」
大内「単純で助かった」
宇喜「どうした?」
大内「いや何でもないぞ。ところで宇喜多。その手にあるマグロ丼、正々堂々そのお盆の上に
戻せ」
宇喜「おおそうだ! そうでなくては義が立たぬな」
大内「単純で助かった」
宇喜「準備は万端だ! 来い!」
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