本編

5/30
前へ
/49ページ
次へ
明転 尼子「ははははは! ざまぁ見やがれ!」 大内「本当だよ。ジャンケンなんかしなけりゃ善かった。もう俺一生ジャンケンしねぇ」 尼子「そんなに悔しかったのかよ! 俺なんか一杯も食ってないんだぞ」 大内「…確かに一応俺も一杯だけ食べたし…お前と比べればマシか」 尼子「うん。よっぽど得!」 大内「そうだな。ははは…あ、でもあの後浦上の奴、メチャクチャ美味そうに食べていやがっ た。マジでムカつく」 尼子「はっはっは。よくやるよな。あいつ」 大内「ていうかあいつはさぁ、いっつも正しいことばっか突き付けてくるから、本当イラつくんだよな」 尼子「あ~分かるわ。その点は宇喜多の方が俺はいいな。『正義』っつうけど…あいつ正しいことやってないよな?」 大内「この前掃除サボってたし」 尼子「まぁ、そういう阿呆みたいなところが俺は好きなんだけどね」 三村登場 三村「あ、大内君、何してるの?」 大内「ん、三村か。やっと尼子が起きたんだよ」 三村「本当だ。おはよ~」 尼子「おはよう。あ~…給食食べてないから腹減ったな…」 三村「あ、丁度購買でクッキー買って来てたんだ。食べる?」 尼子「ナイスタイミング! 頂きます」 三村「お茶もあるけど、大内君もどう?」 大内「いや、俺はいいよ。腹減ってないし」 尼子「あ~。生き返った」 三村「良かった。あ、そうだ。毛利先生の社会の授業で宿題が出たから気をつけて」 尼子「何ページ?」 三村「19ページのペリー来航から、21ページの大政奉還まで」 尼子「分かった。サンキュー」 放送「三年三組、三村さん、三年三組三村さん、至急進路相談室に来てください」 尼子「進路相談室ってお前…成績大丈夫か!?」 三村「もう全然駄目。私勉強苦手だから…じゃあね!」 三村はける 大内「あ、クッキーとお茶、忘れていった」 尼子「ラッキー、しかも『や~いお茶』と『午前の玄米茶』じゃん。一人一本で分けよう」 大内「それにしても親切だなあいつ。クッキーはくれるし、宿題の範囲は教えるし」 尼子「そうだな。そこがあいつのいいところ。同じ女だけど浦上とは本当に違うな!」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加