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心の卵
誰もが持っている心の卵
この心の卵の殻は何で出来ているのだろう。
一度人の心に作られた卵には、とても未熟で傷付き易い心が息づいている。
息づいた心の卵は一体いつ孵化するのだろう。
もしかしたら一生涯孵化しないかもしれない。
多くの人が差し出す救いの手に恐怖を感じ、殻をより厚くしてしまう。
自らが傷つくのを恐れた防衛本能なのだろうか…。
それともその手が偽りの優しさであると知ってしまったからなのか…。
厚く厚くなった心の卵は誰かが割ってくれるのを待っているのかもしれない。
自らの力だけではもう出られなくなってしまう程に頑なに閉じた厚い殻の奥底で声にならない声で「ここから出して!!」と叫んでいるのかも知れない。
心の卵…
いつか本当の優しさで温めてくれる手が現れたなら孵化するのだろう。
どんなに厚い殻もきっとぶち壊して生まれて来られるのだろう。
私の手は心の卵を温めてあげられる優しさを含んでいるのだろうか…。
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