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『土方さ~ん、早く仕留めてくださいよぉ』
箒の総司では浪士達を消滅させる事は出来ない。
総司の言葉に、ボーッと見ていた土方は我に返る。
そして、すぐさま浪士達を斬り伏せた。
「総司…思い出したのか?」
辺りは静まり返り、土方の声が響く。
『いいえ、思い出してません』
奏の顔でニコリと笑う。
だが、土方には総司の笑顔に見えた。
『俺が女神様の頼みを断ったのは知ってますね?』
「あぁ…」
『てめぇは一生そこで寝てろっ!!という感じで、俺の人格は奏の意識の奥深くで眠らされてたワケですよ』
つまり、奏は二重人格だった。
眠っていた総司は、さっき奏が斬られそうになった時に目覚めたのだと言う。
『これも女神様の筋書き通りなんでしょうけどね。ムカつく』
そこへ、遠くから土方を呼ぶ声がする。
「副長ぉ~!?」
『ふぁぁぁ、それじゃあ、俺そろそろ寝ますね』
欠伸をして、そんな事を言い出す総司。
「え?ちょ、ちょっと待て!」
『奏の事、頼みます』
土方の言葉は聞かず、言いたい事だけ言うと、総司は目を閉じる。
奏の体はグラリと傾き、土方は慌てて受け止めた。
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