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「それからは、俺が兄弟子として土方さんをこき使う日々…」
「お前さ、何で奏の体で、俺ん家来て、俺の飯食って、俺の恥ずかしい過去暴露してんの?」
「いや、奏が晩飯食わずに寝たから、体に悪いなぁ~と思って……」
暇だった俺は、奏が眠った隙に体を借りて土方さんの部屋に来ていた。
「まあ、恥ずかしいはお互い様ですよ。それから……」
「お前、もう喋んな!」
土方さんに止められた。
いいじゃないですか、俺と土方さんとの輝かしい思い出なんだから。
「だったら、次は斎藤さんに話してやろうっと」
斎藤さんは、土方さん史上主義だからなぁ。
俺との話なんか聞いたら、さぞ悔しがるだろう。
プププッ……今から楽しみだ。
「いや、止めて。とばっちり食らうの俺だから」
でもさ、土方さん。
これって凄くない?
1回死んだのに、まだこうやって昔話が出来るんですよ。
でもね……でも、少しだけ神様の頼みを断った事後悔してるんだ。
いつか土方さんは、俺より奏が大切になってくる。
何となく、そんな気がしてるんだ。
それが少し寂しくて悔しい。
だから、それまででいい……
それまででいいから、俺の我が儘に付き合ってくださいよ。
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