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目が覚めると、奏は自分の部屋で寝ていた。
時計を見ると朝の8時。
「……あれ、私?」
いつ部屋に戻ったのか、いつ寝たのか記憶にない。
昨日は……と、昨日の事を思い出す。
確か、朝から警視庁に連れていかれ……
帰りに土方歳郎と買い物に行き……
しかも浪士達に襲われ……
刀を抜く土方。
箒を手に浪士達に向かう自分。
その光景が一気にフラッシュバックする。
「そうだっ!」
そこで、ようやく思い出した。
無謀にも箒で浪士に斬りかかり、押し返された所までは記憶にある。
しかし、それ以降の記憶はどうやっても思い出せなかった。
「もしかして、土方さんに迷惑かけた?」
きっと気を失った自分を、土方が助けてくれたのだろうと結論づけた。
「はぁ……謝んなきゃなぁ」
あの時、土方は逃げろと言った。
その指示を無視し、しかも足を引っ張ったのだ。
土方は怒っているだろうなぁと、落ち込む。
その時、携帯が鳴った。
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