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「だから、俺が一緒にいた女は総司だって言ってるんだよ」
と、土方はここ数日あった出来事を2人に話した。
話を聞き終えた2人の第一声は……
「総司の執念だな」
と感心したように頷いていた。
「執念で女に生まれ変わって、副長の彼女の座に収まるつもりだな」
「いや、違うだろ」
土方は突っ込むが、永倉も原田も土方の突っ込みをスルーした。
「そうなると、また斎藤との修羅場を目の当たりにしなきゃならねぇって事だよな?」
「巻き込まれねぇよう、気をつけなきゃな」
自分の言葉を無視して話を続ける2人に、イラッとした土方は両脇にある耳を掴んで引っ張る。
「「いててててっ!?」」
「そんな無駄口叩く暇なら、トイレの掃除でもしてろ!」
勘弁してくださいよぉ~と情けない声を出している2人を無視して、斎藤が土方に話しかける。
「副長、お疲れなんじゃないですか?」
今日1日、どこか様子のおかしい土方が気になっていた斎藤だった。
「……いや、少し考え事をしていた」
土方は、まだ総司の事を誰にも話していなかったのだ。
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