坂本龍馬の最期

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「おまん……何で?」 そう思いながら、そうか、やっぱりワシは死んだんか。やき死んだ亀弥太が目の前におるのか。 そう納得した。 「おんしが迎えに来てくれたのか」 『そうやか、龍馬さん』 いつの間にか重かった体が軽くなっちょった。 死んだ人間がどうなるかわしには分からんが、亀弥太について行けば間違いないろう。 そう思っちょったのに…… 『あの声に身を委ねれば、わしらは無念を晴らせるんやよ』 え? 亀弥太、何を言いゆー? 『国の為に働いたわしらを斬り捨てた幕府に復讐が出来るんやよ』 亀弥太からも、先程聞こえた声と同じような禍々しい気配を感じた。 違う…… これはわしの知っちゅー亀弥太やない。 そう感じたわしは、懐からピストルを取り出し亀弥太に向けた。 『そうやか、残念や』 そう言って、亀弥太は消えた。 誰をいなくなった空間。 わしはピストルの銃口を上に向け、引き金を引いた。 「誰だか知らんが、残念やったな。わしゃ幕府にもわしを殺した奴にも恨みはない」 確かにまだまだやりたい事は沢山あった。 しかし、だからと言って誰かを不幸にしてまで叶えようとは思わん。 わしの夢は日本という国を良うしたいだけなのやき。
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