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お昼の時間、俺は屋上でいつも通り、お馴染みのメンバーで弁当を食べた。
『しかし、転入生があの亀梨やとは。』
亮チャンの言葉に俺は箸を止めた。
『あいつ、戻ってくるとは。
もう仁の前には現れないと思ってたのに。』
ぴぃは弁当をしまいながら、そう言った。
『そうか??』
亮チャンは弁当をしまい、立ち上がりながらそう言った。
『亮チャンは違ったの??』
ぴぃのその言葉を俺は弁当を片付けながら聞いた。
『俺は家が近所やったし、小学校の時から知っとるけど。亀梨が戻ってこんわけはないと思うわ。』
『どういう意味??』
俺は亮チャンにそう言った。
『亀梨は戻りたくなくても、そうするしかない場合もあるってことや。まぁ、俺には分からんけどな。』
そう言って亮チャンはフェンスに寄り掛かった。
俺はその姿を黙って見た。
しばらくすると、チャイムが鳴り、俺らは教室に向かった。
ぴぃと共に教室に入って、俺は席に着いた。
亀梨と一度、目が合ったが、俺はすぐに反らした。
それから授業が終わるまで、お互いに目が合うことは無かった。
『帰ろうぜ。』
帰りのHRが終わり、ぴぃにそう言われて俺はカバンを持って、歩き出した。
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