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- K
あれから何も話さない間に、春休み前日になってしまっていた。
依然として、俺は聖と話したり、行動することはなくなっていた。
モヤモヤとする想いを感じながら、俺はボーッと授業を受けていた。
そして学校が終わり、俺は中丸と一緒に帰った。
そして帰り道、珍しく中丸が口を開いた。
『なぁ、かめ。』
そう言われて俺は、立ち止まった。
『聖、元気なかった。』
『...。』
『かめも何か顔色悪いし。』
『...。』
『本当は、聖のこと気に掛けてるんだろ??』
そう言われて俺は、また歩き出した。
『かめ。』
『...。』
『ちゃんと話さないと、二度と話せなくなるよ??』
俺は何も話さずに、寮まで帰った。
靴を脱いで、指定の場所に置いて入ると、すぐに聖と出くわした。
聖は何も言わずに俺を見ていた。
俺は何か言おうとしたが、それよりも先に聖が俺の横を通りすぎた。
俺は気にしないように、部屋のドアまで向かった。
ドアノブに手を掛けると、腕を掴まれた。
自然と振り向くと、中丸が居た。
『俺の部屋においで。』
そう言われて俺の答えを聞かずに、中丸は腕を引っ張った。
部屋に着くと、ちょうど真っ正面に上田が座っていた。
俺はふと立ち止まった。
『入れば??』
そう言われて俺は中丸の手によって、上田の隣に座った。
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