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昼が過ぎて俺は、帰るために立ち上がると、腕を掴まれた。
『かめ。』
『ん??』
『俺、聞いたよ。』
その言葉に、俺は驚いた。
『何を??』
そう聞くと、田口は真面目な顔をした。
『早く決めないと、手遅れになるよ。』
『...。』
『嫌だから。かめが、居なくなるのは。』
『...田口。』
俺はそう言って田口の手を外した。
そして、布団の中に手を入れて、田口を見た。
『俺のことは、大丈夫だから。田口は、自分のことを考えろよ。』
そう言って俺は病室を出た。
それから俺は足早にタクシーに乗り、寮まで向かった。
しばらくすると、寮に着いて、お金を払いタクシーを降りた。
中に入り、部屋に向かうと仁が待っていた。
『おかえり。』
『..ただいま。』
俺は貴重品を鞄に戻して、振り向くと仁が近くに立っていた。
『用事は済んだの??』
『うん。』
『じゃあ、』
『庭で話そう。』
そう言って仁を見ると、仁は頷いた。
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