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学校を出て、いつも三人で集まっている場所に行くと、すでに亮チャンが座っていた。 だが、亮チャンは違う方を見ていた。 『亮チャン。』 俺が声を掛けると、亮チャンは控えめに指を指した。 『あれって、ゆいチャンだよな??』 そう言われて俺は指の先を見た。 『...。』 その姿は紛れもなく、ゆいだった。 しばらくすると、向こうがこっちを見て、驚いていた。 ゆいは立ち上がり、俯きながら出口に向かった。 それをぴぃが腕を掴んで止めた。 『ねぇ、ゆいチャン。』 『...。』 『亀梨、帰ってきたよ。』 ぴぃの言葉にゆいは顔を上げた。 『亀梨くん、戻ってきたの??』 『知らなかった??』 『...。』 ゆいは何も言わなかった。 『知らない方がいいよね。襲われたんだもん』 ぴぃの言葉にゆいは手を振り払った。 『違う。』 ゆいの目は真剣だった。 『やっぱり、言ってないんだ。』 『なんのこと??』 ぴぃのその言葉にゆいは答えずに行ってしまった。 『なに、あれ。』 ぴぃの言葉に、俺は心の中で共感した。 それから、俺らはある程度の時間まで過ごして、寮に帰った。
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