393人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
- K
(回想)
春休み5日前の金曜日。
俺は職員室の担任の前に立った。
「亀梨、どうした??」
『これ。』
俺は紙を机の上に置いた。
「これ、休学届けか??」
『はい。』
「もしかして...。」
俺は真っ直ぐと担任を見た。
『ずっと、迷ってたことがあって。でも、決めた。』
「受けるのか??」
俺は頷いた。
「そっか。」
『退学しようかと思ったけど、少し考えてからと思って。』
そう言うと担任は頷いていた。
「このことは、誰かに伝えたのか??」
『誰にも言ってない。だから、何か聞かれても誤魔化しといてください。』
俺はそう言って職員室を出た。
それから俺はバスで、家に帰った。
『ただいま。』
「あ、和也。」
リビングでそう言うと、母さんはキッチンから出てきた。
「珍しいわね、こんな時間に。」
『ちょっと話があって。』
「そう。」
『門限もあるから、夕食食べてってもいい??』
そう聞くと母さんは微笑んだ。
「もちろんよ。」
そう言って母さんは再びキッチンに向かった。
それから30分後、テーブルに料理が並べられ、母さんと食事をした。
それからしばらく家で寛いだ。
そしてバスの時間が迫り、俺は玄関に向かった。
『母さん。』
「なに??」
『俺、受けることにした。』
そう言って靴を履き、俺は母さんを見た。
『手術、受けるから。』
「和也。」
『病院に連絡入れといて。』
そう言うと母さんは泣きそうになりながら、頷いた。
(回想終了)
最初のコメントを投稿しよう!