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寮に戻って、着替えを済ませていつものメンバーで集まった。 『そういえば。』 そう言うとぴぃも亮チャンもこちらを見た。 『今日、ここに新しい奴が来るんだって。』 『へぇ。』 ぴぃは少し退屈そうにそう言った。 『それでも遊びに来いよ。』 『言われなくても来るわ。』 亮チャンがそう言って笑った。 その時、ノックが聞こえた。 『はい、どうぞ。』 そう返事をすると、ドアが開いて寮長が見えた。 「今、いいか??」 『はい。』 「入れ。」 寮長がそう言い、部屋に入ってきた人物を見て、俺は目を見開いた。 『『...。』』 ぴぃも亮チャンも俺も、黙ってしまった。 「亀梨だ。仲良くな。」 そう言って寮長は行ってしまった。 『...まじかよ。』 亀梨はそう呟いた後、荷物を所定の位置に入れ始めた。 その間の俺らは、亀梨を見つめることしか出来なかった。 片付けが終わったらしく、亀梨は振り向いた。 『亀梨、久しぶりやな。』 『...。』 『亀梨、雰囲気変わったな。』 『錦戸は相変わらず。』 そう言って亀梨は正面を見た。 『お邪魔みたいだから、さよなら。』 そう言って亀梨は出ていった。 俺は最初から最後まで、亀梨に何も言えなかった。 『大丈夫か??』 ぴぃの言葉に、俺は我に返った。 『...あぁ。』 俺はそう言いながら、頭が真っ白になった。
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