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あれから時間が経ち、昼間だったはずが、もう夜になっていた。
『かず、今日は帰るな。明日も休みだから、また来る。』
そう言って俺はかめのおでこにキスをして、病室を出た。
廊下を歩いていると、看護師に会って、俺はかずのことを頼んで、寮に帰った。
中に入ると玄関でぴぃが待っていて、俺は微笑んだ。
『おかえり。』
『ただいま。』
そう言って俺は、靴を脱いで部屋に向かった。
部屋にはぴぃと二人きりになって、俺は着替えを済ませた。
そして床に座り、俺はベッドに寄り掛かった。
『良かったな。手術、無事に終わって。』
そう言われて俺は頷いた。
『ここからが、頑張らないといけない所なんだよな。』
『そうだな。』
『俺は、かずを支えることしかできないな。』
そう言うとぴぃは俺の側に来た。
『それだけでいいんだ。』
『え??』
『側で支えて、共に頑張ればいい。』
そう言うとぴぃは微笑んだ。
そして俺の手を握った。
『で、かめが目覚めた時。こうやって手を握って、頑張ったかめを、最高の笑顔で迎えてやればいい。』
『ぴぃ。』
『その方が、かめも嬉しいと思うよ。』
そう言われて俺は、改めて勇気づけられた。
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