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海に着いて砂浜を二人で歩いて、ちょうどいい所で座り込んだ。
『気持ちいい。』
そう言うとかずは俺を見た。
『約束、守ってくれたんだね。』
『あぁ。』
そう言うとかずは俺の手を握った。
『辛くない??』
『平気だよ。ぴぃたちも手伝ってくれるし。』
『そう。』
俺はかずの手を右手で握った。
『俺ね、感謝してるんだ。』
『え??』
『かずと一緒にいる時に、事故が起きなくて良かったって。』
そう言うとかずは目を見開いた。
『かずはやっと健康に近づいたのに、こんなの耐えられないだろ??』
『...仁。』
『だけど、俺は平気。』
そう言うとかずは俺を見つめた。
『俺ね、かずが側に居るなら、何だって平気なんだ。』
『仁。』
『かずが居るなら、どんなことだって耐えられる。』
そう言うとかずは涙ぐんでいた。
『かず。こんな俺だけど、これからもよろしく。』
そう伝えると、かずは俺に抱きついた。
『大好き。』
『俺も好きだよ。』
そう言って俺たちは、顔を合わせて笑った。
夕日が俺たちを照らし、いつまでも心地よかった。
それから俺たちは、バスでそれぞれの家に帰り、それぞれの夜を迎えた。
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