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あれから四年の月日が経った。
高校を卒業してから、俺はあの街を出て、箱根に住んでいる。
大学にも通って、たくさんの友達もできた。
そして、大学を卒業してこの箱根で、カウンセリングの仕事をしている。
年齢や時間に関係なく、いつでも誰でも相手をしている。
楽しいことも悲しいこともあるが、毎日、一生懸命に過ごしている。
今日もまた、カウンセリングに来てくれた人の話を聞いて、笑顔で帰っていくのを見送ってから、ドアを閉めようとすると、手が入ってきた。
『すいませんが、俺の相談ものってもらえませんか??』
そう言って顔を上げたのは、かずだった。
『かず。』
『ダメですか??』
そう言われて俺は微笑んだ。
『少々、お待ちいただけますか。着替えてまいりますので。』
そう言うとかずは笑った。
俺は奥の部屋に入って、白衣をハンガーにかけて、かずの元に向かった。
『行きましょうか。』
そう言って俺はドアに札をかけて、かずの手を握った。
そして俺たちは近くにある足湯へ向かった。
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