393人が本棚に入れています
本棚に追加
- A
亀梨と再会して、二週間が過ぎた。
俺はほとんどの時間をぴぃたちと過ごしていた。
学校も相変わらず、亀梨の隣の席で頑張っている。
「じゃあ、授業はこれまで。」
4時限目が終わり、俺はぴぃの元に向かった。
『行こう。』
そう言って俺らは屋上へと向かった。
屋上には、既に亮チャンがいたが、その近くには上田が居た。
『...。』
俺は何も言わずに亮チャンの元へと向かい、ぴぃと共に座った。
弁当を食べ始めてすぐに、屋上のドアが開いた。
確実にぴぃと亀梨の視線が合っていた。
それでも亀梨の表情は、ぴくりとも動かなかった。
そして、亀梨は上田の元へ聖と共に向かっていった。
この異様な光景に耐えながら、弁当を食べた。
亀梨と聖と上田は食べ終わったのか、立ち上がってすぐに、歩き出して行ってしまった。
俺はぴぃを見た。
ぴぃは相変わらず、亀梨の姿を黙って見ていた。
それからは、同じ空気で食事を終えた。
俺らは屋上から教室に戻ると、亀梨たちと鉢合わせた。
亀梨と再び目合ったが、ぴぃが目の前に出てきて、俺はぴぃを見た。
『何もしねぇよ。だから、どけ。』
亀梨の声は冷静だった。
ぴぃは俺の手を握り、亀梨の前からどけた。
亀梨は一度、俺らを見てから教室を出ていった。
そして、追いかけるように中丸が出ていき、聖が立ち止まった。
そして、俺らを真剣な目で見てから、すぐに出ていった。
『あいつら、帰るんだな。』
俺はそう言って自分の席についた。
窓の外には、亀梨たちの姿。
俺はその姿を黙って見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!