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授業も全て終わって、夕食時に寮に帰った。 食堂に向かって、空いてる席に座った。 それから食事を済ませて、ぴぃたちの部屋に一度行ってから、俺の部屋へと向かった。 部屋に入ると、聖と中丸と亀梨が集まって座ってた。 その姿を見たぴぃは、舌打ちをした。 『お前ら、亀梨とつるんでるんだな。』 ぴぃはバカにしたような口調でそう言った。 『何が言いてぇんだよ、山下。』 聖はぴぃを睨んでそう言った。 『お前らも懲りねぇよな。亀梨に裏切られて終わるっていうのによ。』 ぴぃがそう言った瞬間、聖がぴぃの胸ぐらを掴んだ。 『聖!!』 今にも殴り掛かりそうな聖を亀梨は止めた。 『手を離せ。』 亀梨の言葉に、聖は手を離した。 『中丸、聖と一緒に部屋へ行ってろ。』 『わかった。』 中丸はそう言って聖の腕を掴んで、部屋を出ていった。 『じゃあ。』 そう言って行こうとする亀梨の前に亮チャンが立った。 『なぁ、亀梨。』 『なんだよ。』 『ぴぃのこと、守ったんか??』 亀梨はその言葉に、ぴぃを見た。 『俺が山下を守る意味はないだろ。こんな偽善者みたいなやつ。』 その言葉にぴぃは反応した。 そして、ぴぃは亀梨の胸ぐらを掴んだ。 『てめえに言われたくねぇよ。』 『どういう意味??』 亀梨はまっすぐぴぃを見た。 『てめえのせいで、仁がどれだけ傷ついたと思ってんだよ。』 『意味わかんねぇ。』 亀梨は表情を変えずに言った。 『お前があんなことして、あんなこと言わなかったら、』 『やめろ、ぴぃ。』 俺はぴぃの口から出る言葉を遮った。 『だってよ、山下クン。』 そう言って亀梨はぴぃの手を振り払った。 そして、歩き出そうとする亀梨を、ぴぃは止めた。 『親友のお前が裏切るなんて、すごいことするな。』 そう言ったぴぃの手を簡単に振り払われた。 そして、亀梨はぴぃではなく俺を見た。 『親友なんて、最初から思ってなかった。勝手に親友だと思って、勝手に傷ついてるだけだろ。なぁ、赤西。』 そう言われて俺は動けなかった。 いや、動かなかった。 身体が震えて、足が動かなかった。 亀梨は俺を見ていたようだが、俺は見ることが出来ずに座り込んだ。 そして、ドアが閉まる音が聞こえて、ぴぃが目の前に座った。 『仁。』 俺は何も言えなかった。 『仁、休もう。』 そう言ってぴぃは俺をベッドまで連れていってくれた。 俺はぴぃに見守られながら、眠りについた。
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