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- K
部屋を出て、ドアの横に上田が居るのに、俺は気付いた。
『迎えに来てくれた??』
『しょうがないからな。』
そう言って俺らは聖の部屋へと向かった。
俺は聖の隣に座り、上田は中丸の隣に座った。
そんな俺の顔を聖は見つめている気がして、俺は聖に寄り掛かった。
『かめ、大丈夫か??』
聖の声はすごく、優しかった。
『ん、大丈夫。』
俺はそう言って目を瞑った。
『横になれよ。』
そう言われて俺は、目を開けた。
『どうせ、戻らないんだろ??』
『まぁな。』
そう言って俺は聖から体を離した。
『かめ。』
上田に呼ばれて、俺は上田を見た。
『なに??』
俺がそう言うと上田は俺の顔を心配そうに見た。
『辛かったか??赤西にあんな風に言って。』
『...。』
俺は答えられずに黙った。
『ごめんな、こんなこと聞いて。』
そう言って上田は俺の頬を撫でた。
『かめ。本当に顔色悪いから、聖に甘えて横になりな。』
上田がそう言うと、聖が俺をベッドに寝かせてくれた。
『ここなら、安心できるだろ??』
『本当にごめんな。』
聖にそう言うと、聖は布団をかけてくれた。
『俺は、大丈夫だよ。上で寝るから。』
『ありがとう。』
俺は腕で顔を隠した。
目を瞑り、半分寝ている所に誰かが耳元で話していた。
『誤解を早く解かないと、かめがもっと苦しくなるよな。』
声が聖のものだとわかったが、言えずに俺は眠った。
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