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目が覚めると、聖が俺を覗いていた。 『...聖。』 『起きたか??』 そう言われて俺は起き上がった。 『朝まで寝ちゃったんだな。』 『そうだな。』 聖は着替えながらそう答えた。 『ごめんな。ベッド、占領しちゃって。』 『良いんだよ。俺はどこでも寝れるからよ。』 そう言いながら聖はニコッと笑った。 それから俺は、聖にお礼を言って立ち上がり、ドアの前まで行くと、足元がふらついた。 倒れると思ったが、俺の身体は聖の支えによって助けられた。 『大丈夫か??』 『あぁ、わりぃ。』 そう言って俺は体勢を立て直して歩き出した。 部屋に着いて辺りを見ると、赤西は居なかった。 俺は着替えを済ませ、カバンを持って部屋を出た。 部屋から出てすぐにカバンが手から奪われ、横を見ると聖が立っていた。 『行くぞ。』 そう言って歩き出した聖に、俺はついていった。 食堂に着くと、聖が立ち止まった。 『聖??』 『ここに座ってろ。』 そう言って聖は椅子に引いてくれて、俺は座った。 聖の後ろ姿を見つめると、自然と赤西の姿が見えた。 しばらくすると、聖が戻ってきた。 『おばちゃんにおにぎり作ってもらったから、食べろよ。』 『わかってるよ。』 『なら、良いけど。弁当はカバンの中に入れとくから。』 そう言われて俺は頷いた。 それからおにぎりを一個食べて、俺は立ち上がった。 『食べ終わったか??』 聖はそう言って水をくれた。 『ちゃんと、飲めよ。』 『わかった。』 俺はそう言って水でいつもの薬を飲んだ。 幸い食堂には、人は俺ら以外居なかった。 それから俺らは、上田と中丸に玄関で合流して、学校まで向かった。 玄関で靴を履き替えて、教室に聖と一緒に入った。 それから俺は席に着いた。 授業が始まって、何となく聞いて、昼休み前まで過ごした。 いつもと同じく弁当を食べてから教室に戻ると、ちょうど良くチャイムが鳴った。 ふと隣を見ると赤西の姿はなかった。 それを少し気にしながら、俺は残りの授業を受けた。
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