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あの日から1ヶ月経ったが、亀梨が話してくることはまったく無かった。
ぴぃや亮チャンもその事に触れることはない。
そして、今日。
学年が上がって、初めてのテストの結果が貼り出された。
俺はぴぃと亮チャンと共に、その貼り出された紙を見た。
『おっ!!俺、12位。』
ぴぃはそう言って指を指した。
『俺は、15位。』
亮チャンは普通にそう言った。
『ってか、俺20位だし。』
俺の呟きに、ぴぃも亮チャンも肩を叩くだけだった。
『あ、来たぞ。』
クラスの奴の声が聞こえて、俺らは先を見た。
そこには、亀梨を先頭に聖や中丸、上田が歩いていた。
そして、聖が前に出てきて紙を見つめた。
『かめ、1位じゃん。』
聖は亀梨を見てそう言った。
俺はもう一度、紙を見た。
聖の言う通り、亀梨が1位だった。
そして、2位に中丸、4位に上田、7位に聖の名前が書いてあった。
『やっぱり、かめは頭良いな。』
『聖だって、変わらねぇだろ。』
聖の言葉に、亀梨は興味なさそうにそう言った。
『いつまでも見てたって面白くねぇから、行くぞ。』
亀梨はそう言って歩き出すと、他のやつらも歩き出した。
『やっぱり、亀梨はすげぇな。』
『当たり前だろ。亀梨は前の高校でもトップ組だぜ。』
『知ってる。あいつ、容姿も良いからモテてたらしいし。それに、男も女もイケて、奪い取るのも得意らしいしな。』
そう話している奴らの声は、俺の意識を釘付けにした。
『..ん..仁!!』
その声に俺は我に返った。
『..ぴぃ..。』
『行くぞ。』
ぴぃの表情はすごく心配そうにしていて、俺は黙ってついていった。
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