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教室に入って、授業が始まればいつも通りだった。 それに、昼休みに屋上で亀梨たちと会うこともなくなった。 そう安心してぴぃたちと弁当を食べていると、屋上のドアが開いた。 そこから入ってきたのは、聖と中丸だった。 聖たちがこちらに来た時、亮チャンが動いた。 『お前ら、今日は二人か??』 『そうだけど。』 聖は冷めたようにそう言った。 『残りは??』 亮チャンの言葉に聖はこちらを見た。 『関係ないだろ。』 そう言って聖たちが歩き出そうとすると、ぴぃは立ち上がった。 『女でも出来たんだろ。』 ぴぃのその言葉に聖はぴぃを見た。 『どういう意味だよ。』 『モテてたらしいし。』 ぴぃは冷やかすようにそう言った。 『俺、聞いたことあるよ。男も女もイケるって。』 ぴぃがバカにしたようにそう言うと、聖はぴぃに掴み掛かった。 『だから、どうした??』 『は??』 『赤西だって、一緒なんじゃねぇのかよ。』 聖のその一言に、俺は衝撃を受けた。 『てめえ。』 そう言ってぴぃが掴み掛かかるのを、中丸が止めた。 『二人ともやめろ。』 そう言われて、聖は手を離した。 そして何も言わずに、聖は行ってしまった。 『聖はかめの親友なんだよ。山下だって、赤西の親友なら気持ちは分かるんじゃねぇの??』 中丸の冷静で優しい声に、俺らは中丸を見つめることしか出来なかった。 『親友を悪く言われて、怒らないやつなんて、滅多に居ない。』 そう言って歩き出した中丸は、途中で止まった。 そして、中丸は振り向いて、こちらを見て、走って俺の前に跪いた。 『一つだけ言っていいか??』 『..な、に。』 中丸は真剣な顔をした。 『かめはあの頃と何も変わってない。俺らや赤西たちが知ってる、あいつのままなんだよ。』 『...。』 『だから、かめを傷つけるな。俺も聖も上田も、かめを傷つけ奴は許さないから。』 そう言い切って中丸は去っていった。 『なんだよ、あれ。』 ぴぃの呟きは静かに響いた。
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