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学校から寮に帰ると、俺の部屋から聖が出てきた。
俺らは聖と目が合った。
『...。』
聖は何も言わなかった。
しかし、聖の目は辛そうだった。
だが、聖は俺の方に歩いてきた。
俺は驚きながら、聖を見た。
『ちょっと話、できない??』
『....。』
『この近くの公園で待ってるから。』
聖はそう言って、奥に歩いていった。
俺はそれを見つめてから、部屋に入った。
そこには、ベッドに寝ている亀梨がいた。
『...。』
俺はそれを少しだけ見つめてから着替えて部屋を出た。
公園は歩いて10分もかからない所にあって、俺はブランコに座りながら聖を待った。
少し待っていると人が入ってくるのを確認した。
『...聖。』
『待たせて悪かったな。』
そう言って聖は隣のブランコに座った。
しばらく黙っていると、聖が口を開いた。
『悪かったな。屋上でのこと。』
『いいんだよ。あれは、ぴぃも悪かったと思うし。』
俺がそう言うと聖は正面を見た。
『なぁ、聖。』
『ん??』
『あのさ、』
俺がそう言いかけた時、聖がこちらを見た。
『赤西は昔からわかりやすい奴だよな。だから、赤西だって一緒だって言った時、焦った。』
『知ってたんだな。』
『あぁ。なんとなく。』
『引いた??』
俺がそう言うと、聖は俺を見た。
その目があまりにも真剣で、俺は目を反らした。
そして、俺はもう一度聖を見つめた。
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