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- K
昔住んでいた街に戻り、たくさんの人と再会をはたして、2ヶ月が過ぎた。
その間、赤西の隣で授業を過ごして、やっと離れられると考えていたら、次は山下の隣になってしまった。
『...次はこいつかよ...。』
俺は小さくそう言いながら、席についた。
それでも斜め前には、聖が居て助かった。
「亀梨。」
学校の授業も6時限目になり、適当に授業をやり過ごそうとしたら、名前を呼ばれて俺は正面を見た。
『...はい。』
「お前、この前の数学のテストで一番だったな。」
『まぁ、一応。』
俺がそう答えると、先生がこちらに来た。
「じゃあ、亀梨。お前、赤西に勉強教えてやれ。」
『何で、俺が。』
俺は先生にそう言って山下を見た。
『山下は仲が良いんだから、山下が教えれば??』
「山下には他の教科を教えるように頼んであるんだ。」
『....。』
俺は黙って先生を見た。
「頼んだぞ。」
先生はそう言って、俺の机にプリントの束を置いた。
俺は先生に反論しようとした所で、チャイムが鳴り、授業が終わってしまった。
『かめ。』
先生が教室から出ていって、聖が目の前に来た。
『めんどくせぇ。』
俺はそう呟いて、山下の机にプリントを置いた。
『あげる。』
俺はそれだけ言って正面を見た。
しばらくすると、担任が来て帰りのHRが始まった。
HRが終わり、俺はカバンに物をしまった。
『かめ、帰ろうぜ。』
『おう。』
聖にそう言われて、俺は返事をして立ち上がると山下と目が合った。
だが、俺は気付かないフリをして、聖と共に教室を出た。
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