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亀梨が助けてくれたあの日から、亀梨が話しかけてくることがなくなった。
2ヶ月経った今も何もなくて、なんだか不思議な気分だった。
そんなある日。
クラスのLHRで二週間後にある、体育祭の話し合いが始まった。
種目別に選手は決まったが、俺の頭には疑問が浮かんだ。
それを考えていると、担任の話は終わっていて、ぴぃが目の前に居た。
『おい。屋上行かないのか??』
『あ、行く。』
ぴぃに言われて俺は弁当を持ってぴぃの後をついていった。
屋上に着くと誰も居なくて、俺らは自由に座った。
『誰も居ないなんて、珍しいな。』
『まぁな。』
俺の言葉にぴぃは興味なさそうに言った。
それから昼休みが終わるまで誰も来なかった。
そして、授業も集中して行い、放課後を迎えた。
久しぶりに一人で寮に帰り、着替えをしに部屋に帰った。
着替えを済ませて、部屋を出るとドアの前で亀梨と会った。
『....。』
亀梨は何も言わずに歩き出そうとしていたが、俺は亀梨の腕に掴んだ。
亀梨は自然とこちらを見た。
『聞きたいことがある。』
『俺はない。』
『少しならいいだろ。』
『もうすぐ、山下が帰ってくる。だから、山下に聞けば。』
亀梨はめんどくさそうにそう言った。
『俺はお前に話があるんだよ。』
俺がそう言うと亀梨は腕を振りほどいた。
『着替えたら行く。』
『じゃあ、庭で待ってる。』
そう言って俺はまっすぐ庭に向かって歩き出した。
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