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庭に着いて、俺は芝生に座った。 それから10分も経たない内に、亀梨はやってきた。 そして亀梨は隣に静かに座った。 『で、話ってなに??』 亀梨は単刀直入にそう言った。 『今日の話し合い。お前の名前無かったよな。』 『だから??』 『この際だから聞くわ。』 俺は亀梨を見た。 『お前、運動会とかいつも居なかったよな。なんで??』 『意味わかんねぇ。』 『サボる気??』 『一人くらい出なくたって、バレねぇだろ。』 亀梨はこちらを見ずにそう言った。 『それに、どうしてもって言われたら、出るし。』 『...。』 『ってか、話ってそれだけ??』 『まぁ。』 『じゃあ、俺は戻るわ。』 そう言って亀梨は立ち上がった。 『あのさ、もう辞めようぜ。話すんのとか、面倒だから。』 『...。』 俺は何も言わずに立ち上がった。 そして、亀梨を見つめた。 すると、亀梨は口を開いた。 『お前は昔のお前じゃない。俺も昔の俺じゃないんだ。』 そう言い切って亀梨は去っていった。 『...なんだよ、あの目。』 俺は亀梨の後ろ姿を見て、そう呟いた。 さっきの亀梨の目は、悲しそうだった。 そう考えながら、俺はしばらく庭に居た。
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