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体育祭の選手決めて、毎日の練習が始まった。 俺はタイムを計ったり、記録をつけたりした。 そのせいか、授業中や昼休みに、机に伏せて寝る人が増えている。 それでも、優勝するために頑張っているため、みんな必死だった。 ある日の放課後。 聖の練習に付き合ってから、共に帰り道を歩いていると錦戸を見つけた。 『かめ、あれって。』 『錦戸が居るってことは、山下も居るんじゃない??』 そう言って俺は歩き出した。 そして、そこを通り過ぎようとした時、俺らの目の前に山下が倒れ込んできた。 「お前、亀梨か??」 そう言われて俺は声がした方向を見た。 そこには同級生らしき他校の奴が居た。 『そうだけど...お前、誰??』 俺がそう言うとそいつは赤西の肩に手をかけた。 すると、赤西の肩がピクッと動いたように見えた。 「知らないのも当たり前か。だって俺、亀梨が引っ越してから赤西に会ったんだし。」 『そう。』 そう言って歩き出そうとした時、そいつは俺らの前に立って、倒れていた山下の腹に蹴りを入れた。 『...っぐ...。』 山下の声が静かに聞こえた。 「お前、仲間なんだろ??」 そう言われて俺は鼻で笑った。 『あいにくだけど、仲間じゃない。』 「じゃあ、何やってもいいってことだよな??」 『好きにすれば??』 俺はそう言って足を進めた。 だが、それはさせてはくれなくて、俺は腕を掴まれた。 「帰すとは言ってねぇ。」 『は??』 俺は振り向いてそう言った。 「見てろよ、そこで。」 そう言ってそいつは赤西の元へと歩き、パンチをかました。 すると、それを見ていた錦戸がぶつかっていったが、返り討ちに合い、倒れ込んだ。
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