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体育祭が終わって、打ち上げをやると言っていたが、俺たちは参加せずに寮に帰った。 部屋に入り、俺はぴぃの怪我の手当てをした。 『ごめんな。』 俺が謝るとデコぴんをされた。 『謝んなよ。』 そう言っていると、ドアが開いて聖が入ってきた。 聖の手には、亀梨のカバンが握られていた。 カバンを置いて、去ろうとする聖を俺は座らせた。 そして、救急箱を取り聖の手当てを始めた。 『ってえ。』 『悪かったな。』 俺は申し訳なかった。 『俺はお前らを助けるために行ったのに、ぼこぼこにされて何やってんだろ。』 『...。』 俺は何も言わずに手当てを完了させた。 『...俺はかめみたいに、離れても赤西のこと毎回守れねぇし。』 『聖??』 俺がそう言うと聖は、はっとしていた。 『余計なことをペラペラ喋りすぎた。』 そう言って聖は立ち上がった。 『あのさ。』 ぴぃはまっすぐ聖を見た。 『亀梨は知ってたのか??今までのこと。』 そう言われて聖はぴぃを見た。 『知ってた。』 『お前。』 『山下が言うように、赤西のすべてを壊した原因がかめだって、自分で知ってる。』 聖は冷静にそう言った。 『かめは知っていた。黒木が赤西のことを狙ってたこと。だから、黒木が赤西のことをヤったって聞いた時、思ったみたい。黒木は、酷いやつだって噂で聞いてたから、もしかしたらって。』 『だったら、』 ぴぃの言葉に聖は言葉をかぶせた。 『あの時、かめは親友って立場は捨てた。』 聖は俺を見た。 『黒木はもう来ないと思う。』 『....。』 『かめに三度も負けておいて、来るわけがない。』 聖の言葉で俺は昔のことを思い出した。 黒木にヤられてから、半年間。 黒木は姿も見せなかったこと。 そのあと再会しても、すぐに姿を見せなくなったこと。 『俺がお前にしてやれる、最後の親友という立場の手助けだって、かめは言ってた。。』 聖はまっすぐそう言った。 『かめは今日、言ってた。赤西が言った、温かい心の俺は、もう終わりだって。』 そう言って聖はドアに向かって歩いた。 『かめ、今日は帰ってこないから。』 振り向いて俺らにそう言った聖は、とても辛そうだった。 そして俺は、聖の出ていく姿を見ながら、亀梨の本当の姿は何なのかを考えていた。
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