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寮を出てから、学校までは歩いて向かう。 『ところでさ。』 ぴぃは歩きながら、俺を見た。 『なに??』 『なんで、うなされてたんだよ。』 『あぁ。夢を見たんだよ。』 そう言うとぴぃの顔は曇った。 同時に怒りがあるような気がした。 『....それって..。』 『亀梨か??』 ぴぃが言葉を選ぶように言っていると、亮チャンがストレートにそう言った。 『亮チャン。』 『別にええやろ。ちびちび言うてたら、あかんと思うし。』 『...そうだけど。』 そう言いながら歩いていたから、今日は意外に早く学校に着いた。 玄関に入り、靴を履き替えて、階段を登った。 『ほな、また放課後な。』 そう言って亮チャンが教室に入っていった。 俺ら三人の中で亮チャンだけが違うクラスになってしまった。 俺らは亮チャンに手を上げて答えて、俺らも教室に入った。 クラスの奴らに声を掛けて、俺は席に着いた。 俺は窓側から二番目の後ろから二番目。 ぴぃは廊下側の後ろから二番目。 それでもぴぃは、朝のHRが始まるまで、俺の隣に座っている。 ふと窓側の席を俺は見た。 『机、一個多くね??』 俺がそう言うと、クラスの奴らに一人が俺を見た。 『転入生が来るんだよ。』 その言葉に俺は、妙に納得した。 まさかこれが、俺の運命を動かす再会だとは、この時は知らなかった。
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