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夜になり、夕食を食べて部屋に戻ると、亀梨も戻ってきた。 亀梨が椅子に座り、俺は居心地が悪くて部屋を出た。 そして、廊下でぴぃと会った。 『あ、仁。』 『ぴぃ。』 そう言うとぴぃは俺の元に来た。 『明後日なんだけど、海に行かない??』 『良いけど。』 『嫌か??場所があの海だから。』 『違う。大丈夫だから。』 俺はぴぃに笑いかけた。 すると、後ろから声を掛けられた。 『赤西。』 振り向くと聖が立っていた。 『ちょっと、いいか??』 聖がそう言うとぴぃが出てきそうになって、俺はぴぃを止めた。 『向こうのバルコニーで話すか。』 俺はそう言って歩き出した。 聖もついてきていて、共にバルコニーに出た。 『きもちー。』 俺は腕を広げた。 『で、話があるみたいだけど、なに??』 『行くのか??あの海に。』 聖は俺の目を見て、そう言った。 『どうして??』 『明後日、俺とかめも行くんだ。あの海に。』 俺は目を見開いた。 『本当に??』 『あぁ。』 それから俺らは、しばらく黙った。 『赤西。』 『ん??』 『はっきり言って、俺はお前と友達を辞めてない。』 『あぁ。』 『それは、かめも知ってる。』 そして聖は、さっきよりも真剣な顔をした。 『俺は、山下が嫌いだ。』 『え??』 『ってか、かめを傷つける奴が全員、嫌いだ。』 『...。』 『言っておく。かめはあの時からもずっと、お前を心配してる。自分だけが傷ついていると思うな。』 聖はそう言いきって、バルコニーを出ていった。 俺は一人、バルコニーに残されて、聖が言った意味を考えた。 しばらくしても、言った意味が分からずに俺は、バルコニーを出て部屋に戻った。 そして、ベッドに入り、考えすぎずに眠りについた。
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