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- K あれから日は過ぎて、聖と海にやって来た。 『...懐かしい。』 俺は海を見ながら、そう呟いた。 『久しぶりか??』 『あぁ。』 聖の問いかけに俺は頷きながら、そう言った。 それから俺は、人気が少ないこの海を眺めながら、砂浜に座った。 『相変わらずだな。この海人が居なくてさ。』 『まぁ、その方がありがたいけどな。』 聖はそう言って隣に座った。 俺は黙って海を見続けた。 『かめは、この海に嫌な思い出でもあるのか??』 『どうして??』 『毎回誘うのに、いつも来なかっただろ??なのに、今年は来た。』 『...俺はこの海が嫌いだ。』 そう言って立ち上がり、後ろを向くと赤西と山下が居た。 『...。』 赤西と目が合っても、赤西は何も言わなかった。 『...。』 俺は何も言わずに通りすぎ、海の家に向かった。 『いらっしゃい。って、かずくんじゃない。』 『おばちゃん。』 懐かしさが一気に蘇った。 『それに、仁くんも。おばさん、嬉しいわ。また、二人が一緒に居るところを見られて。』 おばちゃんは笑顔でそう言った。 『おばちゃん、そんなこと良いだろ。俺、久しぶりにおばちゃんの焼きそば食べたい。』 『おぉ、おばさん張り切って作るわね。』 そう言っておばちゃんは奥に入っていった。 それを見て俺は聖と共に椅子に座った。 海の家の中に、もう赤西たちは居なくて、俺はホッとしていた。 するとタイミング良く、おばちゃんが焼きそばと水を持ってきてくれて、俺らは食事をした。 『美味い!!やっぱ、おばちゃんの焼きそば、美味いわ。』 『かずくんは、いつも焼きそば食べて、そう言ってくれてたわね。』 おばちゃんは懐かしそうにそう言った。 『お腹が空いたら、すぐにおばちゃんの焼きそばが食べたくなるんだ。』 そう言うとおばちゃんは正面に座った。 『でも、おばさん思ってたのよ。』 『なに??』 『かずくんはもう、この海に来ないんじゃないかって。』 俺はおばちゃんを見た。 『仁くんとも何かあったみたいだし。』 『...。』 『でも、来てくれて嬉しいわ。』 そう言っておばちゃんは笑った。 『かずくん、お願いがあるの。』 『何ですか??』 『仁くんと話してあげて。』 『え??』 おばちゃんは真面目な顔でそう言った。 『お願い。』 今まで、おばちゃんの真剣な顔は見たことがなくて、俺は自然と頷いた。
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